今回の事例紹介は、手続き方法の説明が電話で聴ける、官公庁の案内ダイヤル音声のご依頼。
もちろん、零細事業者に官公庁から直接発注がくることはありませんので、既お取引先を介してのご依頼です。
これまでお使いだった案内に改定が必要となり、お話を進める中で、オフィスあるこを使うことを提案してくださったようです。(うちからナレーター3名を候補出しし決定)
ありがたく、嬉しいことです。
◆書き言葉を、できるだけわかりやすく読む
なにかを説明する音声、特に映像の助けもない「電話での案内」は、聴いてわかりやすい文づくりが基本です。ただ、法令がからむ説明文は、省いたり入れ替えたりができず、長めの文、繰り返しの文が避けられないことがほとんど。
たとえば「〇〇等の〇〇による○○等の事項については、○○等の〇〇にもとづいて○○等を行う」このような…「とう、とう、とう」な文章。
やむなし、と思っています。「等」を省いたら「ほかにも該当することあるんだけど」の含みが失われてしまいますし…。
こういった縛りの中、可能な限りわかりやすい説明文を考えるご担当者様には頭が下がります。
読む側としても、「こういう場合は、こう」「このひとは、これをしてください」と、話の芯が伝わるように尽力します。なんだかおおげさで恩着せがましいですけど、けっこう、かなり、考えて読んではいるのです。
ちなみに、ご依頼の音声は勝手にネット公開することはできないので、イメージ指定サンプルを。担当ナレーターはBAKKY。(今回はわたしです…自画自賛ですみません)
[ボイスサンプル一覧] より
指定サンプル「ガイダンス音声」 |
この雰囲気で、速度おまかせで、収録、納品しました。
(ご依頼の制作会社様より)
掲題の件、ファイルを確かに拝受いたしました。
納期通り、非常にきれいな発話で仕上げていただきましたこと、
厚く御礼申し上げます。
◆全文再収録
エンドクライアント(官公庁ご担当者様)の検品を待って、数日後。
「やはり尺合わせ収録でお願いしたい」とご連絡がありました。
こちらの事前確認が不足していたともいえるのですが、これまで使っていた音声と比較すると、速度が速かったとのこと。
速度を変えて、全文録り直しとなりました。
◆音声合成との合わせ
資料としていただいた既音声は、音声合成と思われるものでした。
とても、とても、ゆっくり。文節と文節のあいだも、たっぷりと間をとってありました。
これにペースを合わせて、ブレス区切りも似せて、収録していったわけですが。
「音声合成と思われる」というのは、わたしの判断のためで。なにしろ、とても自然でした。
ただ、最後の文節が、音声合成特有の抑揚感だったので、あ、やはりこれは…と思ったのです。
※なんだか音声合成をdisってしまって申し訳ありません。それを責めたいのではなく(汗)
音声合成自体は、すばらしい技術だと思います。
次々に音声化できる、そのフレキシブルさはどんどん活用されてしかるべきです。
TVモヤさまでおなじみの声も、愛嬌があって好きです。中の人(声提供者)によっても味わいが違うと知りました。
ともあれ、この既音声をガイドにして収録するのは、なかなかそれなりのものがありました。自分が自然にしゃべる抑揚と乖離があるため、なにが適正か、見失わないように。文字数も、多くはないですけど、少なくもなく…。(どっち?!)
そんなこんなで、ゆっくりバージョンを納品し、
いただきました内容でばっちりOKですので、
と、無事検収となりました。
再収録については、「参考までに差し替え前の現行音声をください」と最初にに言っておけば防げたことなので、自分のヒアリング力ももっと上げていかなくてはいけないと思っています。
今回は反省日誌も兼ねた事例紹介でした。
目の前をしっかり、そして日々勉強。
ご依頼に感謝するとともに、精進していきます。
[オフィスあるこナレーション音声制作]
代表 兼 ナレーター 木場本和枝